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【2017/08/24 06:25 】 |

( ^ω^)ブーンはガンダムのパイロットのようです part14
5 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:51:10.30 ID:Tnv3TN5t0
"リアライズ"を引き連れ、"ストレイヤー"を駆って艦へと戻った
機体をベッドに寝かせ、OSを落としてコックピットのハッチを開ける
ハンガー特有の冷たい金属質の空気が、ハッチの中蒸されて汗をかいていた体を冷ましてくれた
ふぅ、と身体の力を抜き、目を瞑る
マナちゃんも生きていた、そして"イシューリエル"も
だがそれ以外の人達は、誰も僕達に同調はしてくれなかった
考えが甘かったのだろうか、それとも……
これから一体、どうすればいいのだろうか
整備士「おい、姉ちゃん! "ファンネル"減ってるじゃねぇか!」
ξ゚⊿゚)ξ「うるさいわね! そんなの敵に言いなさいよ!」
唐突に怒鳴り声が響き、どきりとしてハッチから身を乗り出す
下の様子をうかがうと、ツンと整備士が言い合っていた
互いに気が立っているのか、今にも取っ組み合いをはじめそうな勢いだ

6 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:52:18.77 ID:Tnv3TN5t0
( ^ω^)「おーおー、なにをしているのかお?」
ハッチから身を乗り出したまま、少し大きな声を出してみる
整備士がこちらを見上げ、口に手を添えて言い返してきた
整備士「いやなー、姉ちゃんが武装壊してきやがったんだよー! まったくあれ一体いくらすると思ってんだ!」
ξ゚⊿゚)ξ「うっさいわね! 小さいことでギャ—ギャ—言うんじゃないわよ!」
こっちは疲れてるのよ! とツンが怒鳴り、この下手糞! と整備士が怒鳴り返した
あんな戦闘明けに元気だなと苦笑しながら、リフトに乗って下へ降りる
ちらと横に目を向けると、"リアライズ"が佇んでいた
"リアライズ"の特殊兵装の小型兵器は、"ファンネル"というのか
一見しただけだが、オールレンジからの攻撃兵器のようだった
おそらくあの兵器を考えなしに使えば、敵もろとも自分すら撃ち抜きかねない代物のはずだ
ついでこの漆黒の空間、それに酷似した色のそれらの自在に操るのは難しいだろう
どう考えても、自分に扱うのは無理だな
敵もろとも自分すら撃ち抜ける自信がある

7 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:52:37.58 ID:Tnv3TN5t0
デッキの床に降り立ち、まだ言い合いを続けている二人に近づく
( ^ω^)「ツンも整備士さんも、そんなにかっかしないで……」
ξ゚⊿゚)ξ「うるさい! 馬鹿ブーン!」
( ^ω^)「え……」
とりあえず場を落ち着かせようと言ったのだが、ツンの癇に障ったらしい
ツンは暴言を吐き捨てると、持っていたヘルメットをブーンにぶつけてさっさと行ってしまった
ブーンは小さく溜め息をつき、整備士に頭を下げてから後を追った
戦闘で何かあったのか、はたまた戦闘後に何かあったのか
それともあの日だろうかなどと予想を立ててみたが、口にすると怒鳴られそうなので考えるのを止めた

8 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:52:58.51 ID:Tnv3TN5t0
( ^ω^)「只今戻りましたお」
ネルガル「お疲れ様でした。大丈夫だった?」
ツンを連れてブリッジへ繋がっている自動扉をくぐると、ネルガルがすぐに声をかけてくれた
はいと答えながら、なんとなく照れて頭に手をやる
途中少しだけ危なかったですと伝えると、無事でよかったよとネルガルが微笑んだ
ヱイル「ご苦労だったな、ブーン、ツン」
ネルガルとの話に区切りがつくと、計器の前に座っていたヱイルが声をかけてきた
少し辛そうな顔をしていたので、微笑みかける
( ^ω^)「うん、ヱイルさんもね」
ヱイル「ああ、ありがとう。……そういえば、"イシューリエル"と言ったか。彼等が同志と、協力してくれることとなったぞ」
ヱイルの言葉を聞き、だから艦長がこれからも云々と言っていたのかと納得した
少なくはあるが、確かに自分たちと同じ考えをもって協力してくれる人がいる
その事実が、先程ドクとの戦闘で感じた無力感をやわらげてくれた

9 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:53:14.98 ID:Tnv3TN5t0
ヱイル「……ん?」
ヱイルが訝し無用な声をあげ、肩越しに後ろを覗き込んだので、つられて振り返る
先程まで後ろにいたはずなのに、ツンはブリッジの隅のほうで壁にもたれて腕を組んでいた
ヱイル「なにかあったのか?」
声量を抑えて、ヱイルが囁くように言った
ちょっとねと同じよう囁いて返すと、特に興味はないのかふむと頷いた
そのとき背後で、自動扉が空気の抜ける音と共に開いた
そちらに顔を向けると、ショボンとCICが中に入ってきた
ショボンが鬱陶しそうにしているのを見ると、CICは無理矢理ついてきたのだろうか
(´・ω・`)「直接お会いするのは、久しぶりですね」
ネルガル「そうですね。しかし、ここでお話をするのは少し……。まずは艦を降下させて、エリュシオンに戻りましょう」
ネルガルがそう言い、ヱイルに顔を向けた
ネルガル「ヱイル、"イシューリエル"に降下座標位置の詳細データを送って」
こくんと頷き、ヱイルが計器を操作し始めた

10 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:53:36.11 ID:Tnv3TN5t0
CIC「ブーン君……」
なかなかの速さでキーを打ち込むヱイルの手を見つめていると、突然後ろから声をかけられた
振り返ると、CICが胸の前に手をやって顔を俯けていた
( ^ω^)「あ……」
CIC「ブーン君、無事でよかったね……。私あの時のこと、ずっと後悔してたの……」
( ^ω^)「あの時……。すみませんでしたお」
無断出撃の際、ハッチを開けてしまったことを後悔しているのだろうと推測する
挙句自分は撃墜されてしまい、彼女が自分を責めてしまうのは仕方の無いことかもしれない
もう謝る機会もないものと思っていたので、こうして顔をあわせられたことが少し嬉しかった
( ^ω^)「悪いのは僕ですお。だから、CICさんは謝らなくても……」
CIC「私、あの時ちゃんと帰ってきてって言ったよね、たしか?」
( ^ω^)「え、あ……。言ってました」
急に口調が変わったので、少しどきりとする
そうだよねー、言ってたよねー、などといいながら、CICが目の前まで近づいてきた
吐息がかかりそうになるほど顔を寄せると、優しく頭を掴まれる

11 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:54:12.38 ID:Tnv3TN5t0
CIC「何で帰ってこねぇんだよ」
( ^ω^)「え……い、いたた、いたたお!」
突然手に力が篭り、みしみしと頭が痛んで思わず悲鳴を上げる
CICは楽しそうに顔をゆがめながら、けらけらと笑っていた
CIC「私を心配させたね罰よ、罰ー」
( ^ω^)「ちょ、ごめん、ごめんお!」
CIC「問答無用ー」
じたばたと抵抗しながら、謝罪の言葉を述べる
聞き入れる気など初めから無かったのか、CICは鼻歌混じりに笑っている
ネルガルと話していたショボンがこちらに気付くと、慌ててこちらへ向ってきた
(´・ω・`)「な、なにやってるんだお前は!」
CIC「はっ、艦長! アイアンクローであります!」
(´・ω・`)「お止めになってあげて!」
ショボンの制止を受け、CICがはーいと言いながら手を離した
抑えられていた部分がじんじんとし、足取りもおぼつかずフラフラとよろめく
いつのまにか後ろにいたツンに受け止められ、ほっと溜め息をついた

12 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:54:36.84 ID:Tnv3TN5t0
顔を上げると、すたすたとCICが近づいてきていたので、びくりとする
CIC「ブーン君、今度心配かけさせるようなことしたら……本気でやるよ」
相変わらずの満面の笑みで言われ、ぶるっと震える
CIC「……もう地球連合の兵士ってわけじゃないんだから、死んだりしたら犬死だよ。
   特進もないし、殉職でもない。だから命を粗末にするようなことは、金輪際しないって約束して」
( ^ω^)「え……」
CIC「約束、出来る?」
急に真面目くさった顔になったので、少し戸惑う
百面相のようにころころと変わる表情に、よくわからない人だなと思った
それでも、自分を心配しての発言と行動だったのだ
遠まわしに冗談めかすのは、性格なのだろうか
( ^ω^)「はい、約束しますお」
頭はずきずきと痛んでいたが、なんとなくその痛みも心地いいような気さえした
CICに呆れ顔を向けていたショボンも、こちらと目を合わせるとふわりと微笑んだ
こんな僕のことを、心配してくれる人がいてくれる
後ろにいるツンに少し体を預けて、暖かい気持ちに浸った

14 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:55:12.82 ID:Tnv3TN5t0
ネルガル「……うん、それじゃあ移動を開始しよう。いつまでもここにいるのはよくないから」
ネルガルがそう言って、この場はお開きとなった
ショボンとCICは一度自艦へ戻ると言って、デッキへと戻っていった
ネルガル「じゃあ、用事があったら連絡を入れますから、三人は休んでて」
ネルガルが微笑みながらそう言ったので、あてがわれた部屋へといつのまにか戻ってきていたエアと三人で共に向った
道中会話はなく、気まずい空気が漂っていた
ツンは先程から機嫌が悪いかったが、エアもなんとなく苛々しているようだった
言及するとツンに空気を読めと言われてしまいそうだったので、口を開くことはしなかった
エア「では、僕はここですので……」
お疲れ様でしたと挨拶をかわし、部屋の中へ入っていくエアを見届けた
お疲れ様でしたって、なんだか打ち上げみたいだよね
そう言おうかと思ってツンを振り返ったが、止めた
ツンはさっさとに自室へ入っていってしまい、しゅっと自動扉が音を立てている
( ^ω^)「はぁ……」
溜め息をつきながら、肩を落として俯く
少しくらい気遣って欲しかったなと、自嘲的に口元を歪める
ツンも戦闘をしているし、ドク達のことで思い悩むこともあるとは思う
我侭かもしれないが、せめて少しくらい話がしたかった
諦めて自室へ足を向けると、後ろから声をかけられた

15 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:55:35.97 ID:Tnv3TN5t0
ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿じゃないの、もう……」
自動扉に後ろ手でロックをかけ、そのまま背を這わせるようにしてずるずると座り込む
馬鹿なのはブーンじゃない、私だ
敵軍の女に、マナとかいう女に嫉妬している
ブーンと仲が良かった女は私だけだったのに
地球軍にいた間、もしかしたらなにか二人の間に何かあったかもしれない
口に出すのも憚られるような、いやらしいこととか……
ξ゚⊿゚)ξ「ないない! ブーンに限って、そんな……」
頭をふるふると振って考えを否定するも、次第に不安が大きくなってくる
あの時地球軍にいたブーンは、ブーンであってブーンではなかった
私のことなど知らないただの男、そして仲のいい女
はぁ、と溜め息をついて膝を抱く
ブーンは、あの女のところに行ってしまうのだろうか
割と綺麗な顔だったし、幼児体型の抜けてない私と比べたらすらっとしてたし、胸も……私よりあったような気がする
優しそうで物静かな、自分とは正反対の性質の女だ
いっそのこと、どさくさにまぎれて撃ち殺してしまおうか
そんなことを本気で考えそうになった自分に苦笑しながら、かぶりを振る
そんなことをしてはブーンが悲しむだろう
それは嫌だ、見たくない

16 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:55:58.24 ID:Tnv3TN5t0
はぁ、と再び溜め息をついて顔を上げる
ξ゚⊿゚)ξ「そういえばドクとアイベル、元気かしら……」
ブーンのことばかり考えていてすっかり忘れていた
友達甲斐のない奴だと、再び自分に苦笑する
そういえば汗をかいていたなと考えいたって、シャワーを浴びようと立ち上がる
羽織っていた上着を脇に投げ捨て、シャワールームへ向った
下着を籠に脱ぎ捨てながら、先程の戦闘を思い出す
あの時、"ストレイヤー"が戦っていたのは確かに"ヘイト"だった
"アブソリュート"のログデータを回収したのか、それとも独自に入手したものなのか
情報源はわからなかったが、"ヘイト"に加え地球連合のMSのデータも"リアライズ"のOSにはあった
あの地球連合のMS、"ディザスター"と"スルーター"
むかつく奴らだったが、たしかに強かったことは認めざるを得ない
機体性能は"リアライズ"の方が上だろう、しかし"ヘイト"をはじめとするVナンバーよりもずっと強力なのは確かだ
さらに"ヘル"、その絶対数の多さや量産機らしからぬ高スペック
宇宙連合にはあの"ゴスペル"とかいう広範囲照射兵器の存在もあるが、数に物を言わせて強襲されたらそれまでだ

17 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:56:14.15 ID:Tnv3TN5t0
両者ともに戦闘を停止する意思が見当たらなかった場合、かなり難しいことになるだろう
最初は漠然と宇宙連合を守るように地球連合を制し、その間の説得で何とかなるものかと思っていた
だがそれももう難しくなった
宇宙連合を守っていれば、"ゴスペル"の攻撃に巻き込まれ、それで宇宙連合の勝ちになってしまうかもしれない
この戦争に、勝ち負けを作ってはいけない
ξ゚⊿゚)ξ「無意味ね……」
からからと無為に回り続ける思考に三度目の苦笑を漏らす
なんだか自嘲的になっている
自分に自信を持たなくてはと自らに言い聞かせ、シャワーの栓を捻る
溢れてきた温水が体を流れ、先頭で汗ばんでじめじめした嫌な感触を洗ってくれた
顔を少し持ち上げると、水の粒が顔で弾けていく
その感触に身を任せて、目を瞑った

18 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:57:12.05 ID:Tnv3TN5t0
--5年前

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、やっぱり嫌だよ、軍隊なんかに……」
ブーンの影に隠れながら、おそるおそる辺りを見回してみる
グラウンドの中心、だだっ広いこの空間の中心からも威圧感のある白の校舎
そのすぐ傍に何棟もの寄宿舎が設置されており、この軍学校の規模の大きさが一見してわかった
軍と軍学校のためだけに作られたこのコロニーに、ブーンとツンは足を運んでいた
( ^ω^)「ツン、大丈夫だお。僕もちょっと怖いけど、きっとなんとかなるお」
きっぱりと大丈夫と言えないのは、やはり言葉の通り怖いからなのだろうか
辺りを見回すも、厳つい顔の教官らしき人や、一癖も二癖もありあそうな学徒兵ばかりが跋扈している
ブーンはこちらを振り返ると、微かに震えている手を差し出してきてくれた
握った手の指先の冷たかったが、それでも十分に安心できる暖かさだった
XX47年、地球議会との関係が悪化し、宇宙民は秘密裏に軍を設けることにしたらしい
新しく宇宙議会の代表となったブエルとかいう人の発案だと、そうブーンに聞いてきた
元々の自衛戦力とあわせ、学生からの志願で軍の戦力は成り立っていた

19 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:57:34.01 ID:Tnv3TN5t0
宇宙民、自分たちは独立したカテゴリーなのだという思いから志願するものも多く、兵力は錬度が高まれば地球軍にも劣らない、らしい
大掛かりな技術開発も急ピッチで進められ、いくつかの試作機が運び込まれているとも言われている
それなのに何故私たちがここにいるのか、理由は簡単、私たちが孤児だったからだ
物心つくころには既に親はなく、気付けば施設で同じような境遇の子供たちと生活をしていた
何処で生まれたのかも、誰から生まれたのかも、何故宇宙にいたのかも、何も知らない
故に、だ
死んでも悲しむものもいない、帰る場所もない
誰がどう考えても、兵士としての境遇にはもってこいだろう
そういう理由から孤児の一部は軍学校に入るべく、このコロニーを訪れていた
ブーンたちがいた孤児院からは、二人のみが兵になるべく連れられた

20 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:58:23.58 ID:Tnv3TN5t0
ξ゚⊿゚)ξ「何で私たちが軍なんかに……」
自分たちの境遇の不幸さに、思わず声に水気が孕む
13歳、多感な思春期を迎え、だんだんと広がってゆく世界で幸せに暮らしていくはずだった
それなのに、無理矢理こんな所に連れてこられ、軍人などになる
幼くとも、軍がどのようなものなのかは漠然とだが知っていた
ξ゚⊿゚)ξ「人殺しなんか嫌だよ……」
( ^ω^)「ツン……」
ξ゚⊿゚)ξ「帰りたいよぉ……」
しばらくしゃくりあげていたが、慰めようとブーンが肩に手を置いたのを機に、ツンは堰を切ったように泣き始めた
人殺しの手伝いをするのは嫌、それよりなにより自分が死んでしまうことが嫌だ
教官「そこ! うるさいぞ!」
突然近くを歩いていた教官らしき人物に怒鳴られ、びくりと肩をはねさせる
ブーンがすいませんと頭を下げると、教官はこちらを一瞥してささっと行ってしまった
幼くして軍属となる子供たちに、同情すらしてくれないのか

21 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:58:39.20 ID:Tnv3TN5t0
ξ゚⊿゚)ξ「うっ、くっ……っ…」
( ^ω^)「ツン、ここから逃げるお」
ブーンはこちらに背を向けながら、決然と言った
無理だよと涙に喘ぎながら言い返すと、ブーンはこちらを振り返って優しく微笑んだ
( ^ω^)「僕達は志願じゃないお。こんな所にいる必要なんてないお」
安心させようとしていってくれているのだろう、相変わらず握った手は冷たく、小さく震えていた
当然だ、ブーンだって怖いし、嫌なのだ
( ^ω^)「戦争なんて、僕達には関係ないお。だから、一緒に逃げるお」
ξ゚⊿゚)ξ「……うん、ありがとう……」
ごめんね、と言いながら、あいていた方の手をブーンに手に添える
ブーンは少し驚いたように手を見つめると、頑張ろうねと言って再び微笑んだ

22 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:59:05.29 ID:Tnv3TN5t0
ほらほら頑張って! と後ろから声をかけられた
しかし振り返る気力も体力もなく、ぜいぜいと喘ぎながら足を進める
軍学校の基礎トレーニングの10キロランニングは、あまり体力のなかったツンには苦痛だった
ぶつぶつと文句を言いながらもよたよたと走ってはいたが、半分を過ぎたあたりで体が言うことを聞かなくなる
先日の初トレーニングでは、走りきることはおろか途中で脱落し、気分が悪くなって医務室へ運ばれてしまった
我ながら情けなくて涙が出てくるが、女の子なのだ、仕方がないと思う
学徒「無理しなくていいわよ。辛いなら休んでて」
後ろから赤髪の女が追いついてきて、横に並んで走り出した
ちらと女に目を向けると、多少汗はかいているものの平気な顔をしていた
先程の自分の考えに、自信がなくなってきた
ξ゚⊿゚)ξ「……別に、大丈夫です……」
誰がどう見ても平気そうには見えないだろうが、そこは意地だった
どうかしている、ランニングなどする意味がわからない
今日び戦争は歩兵で戦うわけじゃないのだろう、ならば戦闘機のシュミレーションなど、技術訓練をやらせればいいのに
兵士である以上体力は必要最低限の条件だということはわかってはいたが、だからとこの苦痛を納得するのは難しかった
このトレーニングメニューを組んだ教官に、悪態をつく

23 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:59:27.82 ID:Tnv3TN5t0
学徒「そう、じゃあ頑張ってね」
女はそう言うと手を小さく振り、スピードを上げていってしまった
少し前を走っていた暗そうな男に話し掛け、隣に並んで走り出す
あの女の人も、初めからあんなに体力があったわけではないだろう
彼女は何を考えて、こんな所に来たのだろうか
( ^ω^)「ツン、大丈夫かお?」
再び後ろから声をかけられる、今度は振り返った
元々走ることが好きで体力のあったブーンは特に疲れた様子もなく、微笑みながら隣に並んできた
私も邪険に誘いを突っぱねず、ブーンと一緒に公園を走り回って入れば良かったと今更ながら後悔する
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……大、丈夫だよ……げほっ!」
( ^ω^)「だ、大丈夫じゃないお!」
ぜいぜいと喘いでいるのが恥ずかしくて無理に整えようとするも、かえってむせ返ってしまった
あたふたとしだしたブーンに肩を支えられながら、トラックの外に出る
志願ではないのだからと逃亡を画策してはいたものの、この施設からの逃走経路も、コロニー自体からの脱出方法もわからず、今もこうして軍のトレーニングに付き合うはめになっていた
まったく冗談じゃないと、息絶え絶えにトラックの外周を歩く

24 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/22(土) 23:59:47.64 ID:Tnv3TN5t0
( ^ω^)「ツン、体力ないからきついかお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん……。だって、走るの苦手なんだもん……」
( ^ω^)「じゃあ、上手な走り方を教えてあげるお。まず、手をちゃんと振って……」
やっぱり体力あるなぁと、隣で走り方のレクチャーをはじめたブーンに呆れる 
いつか逃げられる日が来るのだろうか、私たちはいつまでこんなことにつき合わされなければならないのだろうか
見通しのつかないこれからへの不安に、溜め息を漏らす
( ^ω^)「ツン、ちゃんと聞いてたかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「え? ……う、うん、聞いてたよ」
( ^ω^)「…………」
誤魔化すように見ていたなどと言ってしまったことを、黙り込んでしまったブーンを見て少し後悔した
これからいつまでこのトレーニングが続くかわからないのだ、しっかり教えてもらったほうがいいかもしれない
謝ってもう一度レクチャーを頼もうと口を開くと、先にブーンが話し始めた
( ^ω^)「今日、逃げ出すお。決行は夕食の時、食堂にくる人が多くなる時だお」
ξ゚⊿゚)ξ「え……え?」
突然に脱走計画を打ち明けられ、一瞬理解が及ばなかった
数拍置いてから本当にと聞き返すと、ブーンは頭を縦に振った

25 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:00:03.52 ID:R17a+Teu0
( ^ω^)「もうこんな所とは、もうおさらばだお」
どうやらレクチャーを受ける必要は、なくなったようだ
学徒「こーら、おしゃべりする余裕があるならちゃんと走りなさい」
後ろから声をかけられて、どきりとして振り返る
先程の赤髪の女が、後ろから呆れ顔でこちらに近づいてきていた
すいませんとブーンが謝罪し、再び走り出す
どうせ逃げ出すんだから止めたいなとも思ったが、せっかくなので走ることにした

26 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:00:37.66 ID:R17a+Teu0
( ^ω^)「ツン、大丈夫かお?」
肩を軽く揺すられ、びくりと顔を上げる
ここがコンテナの中だと理解するのに数瞬要し、そしてそれに一拍置いて自分が涎をたらしていることに気付いた
規則的な振動とブーンの体温、そして疲労で思わず眠ってしまったのだと、袖で口元を拭いながら考える
幸いコンテナの中は薄暗かったので、涎のことは気付かれていないだろう
( ^ω^)「もうすぐ積み込みが始まるから、それまでの辛抱だお」
うんと返し、膝を抱く
このコンテナに忍び込むのは、拍子抜けするほど簡単だった
食堂の裏口から外へ飛び出し、誰にも見られないようにドッグへ走って小さめのコンテナに隠れ、息を殺す
夕食時且つ志願が多いからと、警備を手薄にしていたことで脱走が容易だったのだろうと推測する
コンテナの外では、ベルトコンベアの音と作業員の声が響いていた
ξ゚⊿゚)ξ「やっと逃げられるんだね、よかった……」
( ^ω^)「うん。……でも、帰ってからどうしようかお」
ξ゚⊿゚)ξ「しぃ先生のところへ行こうよ。また、みんなと一緒に……」
( ^ω^)「しっ! 静かに……」
突然ブーンに口を抑えられ、言葉を飲み込む
何事かと耳を澄ましてみると、外では男が二人何かを話しているようだった
二人の会話が区切りを見ると、ほぼ同時にベルトコンベアの駆動が止まる

28 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:01:03.75 ID:R17a+Teu0
ξ゚⊿゚)ξ「バレたの……?」
不安げにブーンに話し掛けるも、静かにして、とたしなめられる
そういえば見つかって連れ戻されるという場合のことを、まったく考えていなかった
ブーンについていけば確実だと思い込んでいた、しかしそのブーンが不安そうな表情をしているのを見て、急に怖くなる
もし見つかったりしたら、私たちはどうなってしまうのだろう
かたかたと振るえながらブーンに体を寄せると、再びコンテナが動き出した
しかし耳に入るのはコンベアの駆動音ではない、これは……ローラー?
( ^ω^)「大丈夫。きっと運ぶ場所を間違えたんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「う、うん……」
しかし次第にドックの喧騒からは遠ざかり、ついにはコンテナを押し運んでいるであろう人間の足音とだけが中に響いている
自分の心音が、耳を凝らさずとも聞こえるようになる
恐怖で涙が出そうになるのを必死で抑え、ブーンの手を強く握った
( ^ω^)「もし僕たちに気付いているのなら、なんでこんな……。いや、それ以前になんで……」
訝しむようにブーンが一人ごちる
この作戦の話は、食堂で少しだけブーンに聞いただけだ
当然ブーンは私以外の誰にもいっていないだろうし、私自身誰にも口外にしていない
なら、まさかとは思うがグラウンドで……?
その時、コンテナの蓋が開かれた

29 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:01:37.26 ID:R17a+Teu0
('A`)「まったく……」
コンテナの外から、怒ったような飽きれたような不機嫌な声が聞こえる
相手もこちらの武装を警戒しているのか、こちらを覗き込むことをしなかった
おかげで出て行くタイミングがわからず、コンテナの中で息を潜め続ける
('A`)「出てこい。いるのはわかってる」
どうするのとブーンに呟くと、ここで静かにしててと口元に人差し指をやった
ブーンは頭を少しだけ外へ出して辺りを見回すと、弾薬のケースを蹴って飛び出していった
( ^ω^)「はぁぁぁ!」
コンテナの中でうずくまり、外から聞こえてくる鈍い打撃音に耳を塞ぐ
ばれた、見つかった、きっと連れ戻されてしまう
これから予測される事態に、膝を抱いて震える
軍における脱走行為というものは、銃殺刑だと聞いている
確証などない先入観だったが、恐怖で思考が鈍くなっているツンにとってはかなりの恐怖だった

30 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:01:58.03 ID:R17a+Teu0
( ^ω^)「ぐぇ!」
唐突にコンテナが衝撃音を響かせ、かえるが潰れたような声に反応してツンも外に飛び出した
ブーンがうめきながら腹部を押さえ、コンテナにもたれかかっていた
('A`)「やめろよな。お前が俺にかなう筈ないだろ」
そう言いながらこちらを見下している男を睨みつけながら、ブーンに寄り添う
何を偉そうに、自分は訓練をしているから当然ではないか
男の挙動に気を払いながらも辺りを見回すと、おそらくここは倉庫で、薄暗く人気のない場所らしいことがわかった
ブーンはただの打撲だろう、心配はないと思う
大丈夫かと問うと、かすれた声でうんと頷いた
('A`)「お前ら、脱走するつもりだったのか?」
あくまで淡々と話す男を、ツンは再び睨みつけた
そういえばこの少年、先程ランニングをしていたときの……
そうか、あの時聞かれてしまっていたのか
一部残った冷静な部分で考察をしていると、男は小さく溜め息をつきながら、懐に手をやった
そして無造作に銃を取り出すと、慣れた手つきで安全装置を外す

31 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:02:17.39 ID:R17a+Teu0
('A`)「別にお前らが逃げ出すことに文句はない。ただ……」
( ^ω^)「……なんなんだお」
('A`)「こういう状況になった時、お前は何が出来る?」
撃鉄を起こす音が、狭い倉庫の中に反響して響いた
淡く倉庫内を照らし出しているライトの光を反射して、銃口が煌く
先程まで睨んでいた男の目は鋭く光を宿し、殺人気に共通する残忍さを感じさせた
あたかも捕食者に出会ってしまった小動物の如く、ツンは体をすくめて震え出してしまった
それを見たブーンが、庇うようにツンの前に立ちはだかる
少年は銃を二人に向けたまま、口を開いた
('A`)「それで守ってるつもりか? 俺が撃てばお前は死んで、彼女も俺に殺される。今のお前じゃあどうしようもないだろう」
諭すような口調で少年はそうブーンに言うと、銃口をブーンの額に合わせる
ブーンはそう年端の変わらないであろう少年を睨みつけながら、ぎりと歯を食いしばった

32 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:02:55.47 ID:R17a+Teu0
('A`)「戦争は他人事じゃない。俺たちは同じ宇宙民、運命共同体だ。勝手にやってくれと、そういうわけにはいかない」
( ^ω^)「そんなの……そんなのそっちの理屈だお! 僕たちは人殺しにはならない!」
('A`)「なら、殺されてもいいんだな?」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなの無茶苦茶だよ……!」
目の端に涙を浮かべながら、消え入りそうな声で呟く
人を殺すのも嫌だ、殺されるのも嫌だ
だが戦争だからと、それを強要されるいわれなど私達にはないはずだ
同じ宇宙民だからって、皆が皆戦争がしたいわけがないではないか
('A`)「ここにいれば力が手に入る。力があれば、守ることが出来る。お前はどうするんだ? 次にこういう状況になった時、後悔しながら死んでいくか?」
( ^ω^)「……っ……!」
('A`)「戦争になれば、日常など簡単に崩れる。わけもわからないうちに殺されることもあるかもしれない。理不尽には、抗う力が必要だ」
少年は外見の年齢からは似つかないほどの弁舌で、ブーンを諭すように言葉を紡いでいく
ブーンの顔色には明らかな動揺が見てとれ、ツンは置いてけぼりを拒む子供のように、ブーン服のすそを掴んだ

33 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:03:13.09 ID:R17a+Teu0
('A`)「お前にこれは、必要ないか?」
そう言いながら少年は銃を降ろし、そしてそれをブーンに差し出した
( ^ω^)「僕、は……」
ξ゚⊿゚)ξ「いらないよ、馬鹿ぁ!」
手を伸ばしかけたブーンを押しのけて、銃を持った少年に飛び掛る
力と形容されたものを手にしている腕にしがみつき、それを払い落とそうともがく
せっかく帰れると思ったのに、何故ブーンを惑わすようなことを言うのだ
もう私たちを放っておいてくれ
('A`)「わっ、馬鹿、お前!」
少年は焦ったような声を出し、腕を振ってツンを突き飛ばした
ツンが尻餅をつくとほぼ同時に、耳をつんざくような大きな音が倉庫内に反響する
少年が持っていた銃の口からは白い煙がかすかに尾を引き、ツンの股の間のコンクリートの床は抉れていた
瞬間何が起こったのか理解できなかったが、銃声が耳の中で反響して次第に理解が及ぶ
('A`)「誤射で死んだら、それこそ無駄死にだぞ……」
呆れ顔で少年はツンに目を向け呟きながら、銃の安全装置を弄り始めた
抉れたコンクリートを見つめながら震えているツンを、ブーンが大丈夫かと抱き起こす
腰の抜けてしまったツンを支えながら、ブーンは少年に向き直った

34 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:03:51.64 ID:R17a+Teu0
( ^ω^)「僕、やっぱり力が欲しいお」
力強い語気で、ブーンは少年に告げた
少年は銃に向けていた目をブーンにやる、口の端を持ち上げる
その言葉を聞いて、ツンが声をあげた
ξ゚⊿゚)ξ「なんで!? 一緒に帰ろうって言ったのに……!」
( ^ω^)「……僕も帰りたいお。でも、やっぱり駄目だお。彼の言うとおり、このままじゃツンを守ってあげられないお」
ξ゚⊿゚)ξ「守ってくれなくてもいいから! お願いだから、ブーン……!」
砕けた腰も手伝って、ツンがブーンの足許に崩れて泣き出す
軽くパニックになりながらも、ブーンはツンを諭そうと屈みこんだ
しっかりと目を合わせて、ブーンは口を開いた
( ^ω^)「ツンが良くても、僕は嫌だお。後悔はしたくないんだお……」
物事を判断するのに、ブーンは少し幼すぎたのかもしれない
軍に入って汚れずに、綺麗なまま死んでいくという選択肢もあった
自分が入ったところで何も変わりはしないと諦観し、逃げることも出来た
だがブーンは純粋に、ツンを守れる力が欲しいと考えた
それゆえに決意も、強固なものだった

35 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:04:08.64 ID:R17a+Teu0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……!」
( ^ω^)「ごめんお……。あの、せめてツンだけでも逃がしてやってくださいお」
ブーンが少年に懇願すると、少年は正式な手段を通して返してもらえるよう頼んでやると言った
ありがとうとブーンが、少年に頭を下げる
ξ゚⊿゚)ξ「……私も」
呆然とブーンを見詰めていたツンが、自分のことを話しているのだと気づいた
そしてすがるようにブーンにしがみつき、口を開いた
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「わ、私も残る! 私がブーンを守ってあげる!」
ただ一緒にいたいから、そんな理由で軍に残ることは愚の骨頂かもしれない
だが、ブーンと別れるくらいなら死んだほうがまし、だ
ブーンはツンの言葉に一瞬虚をつかれて難しい表情をしたが、すぐに頬を緩めた
( ^ω^)「……うん、わかったお。これから一緒に頑張るお」
ブーンに微笑みを向けられて、ツンはどぎまぎとしながらも同じように笑ってみせた
これから先、きっと辛いことや苦しいこともあるだろう
だが、それも彼といれば乗り越えられると、ツンはそう確信していた
コンテナにもたれて佇んでいた少年が気障っぽく、宇宙連合軍へようこそ、と敬礼して見せた

36 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:05:17.93 ID:R17a+Teu0
そういえばそんなこともあったなと、昔の思い出に浸りながらシャワーの栓を締めた
水気を孕んだ髪をかきあげ、無造作に用意してあったタオルで顔を拭う
よくよく考えてみると、成人にも満たない人生のうちの三分の一程を軍関連の施設で過ごしたことになる
学校に通ったり、友達と話したり、勉強に艱難辛苦を味わったり、彼氏を作ってみたり、バイトをしてみたり
歳相応の、一般的な子供の「普通」を味わってみたくはあった
軍学校もおそらく通常の学校とそう変わりはしないだろうが、やはりどこか現実離れした印象のほうが強かった
軍や訓練という言葉から戦場を、そして死を連想してしまうからだろう
だがそれでも、いまではあの時軍に残る判断をしたのは良かったと思っている
初めての実践で人を殺したときは食事も喉を通らず、眠ることすら出来なかった
やはり止めて置けばよかったと、後悔に枕を濡らしたこともある
しかし今は、こうして戦うことの出来る力に感謝をしている
力があるから戦える、戦えるから役に立てる
人を殺す剣ではなく、人を守る盾として

37 :ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/23(日) 00:05:39.75 ID:R17a+Teu0
ξ゚⊿゚)ξ「守る、かぁ……」
はじめはブーンを、その次は仲間達を、そして今はブーンの望む世界を守るために
無謀と笑われるかもしれない、危険な目にあうかもしれない
一度は殺しあって、憎しみあったりもしたけれど
それでもやっぱり私はブーンといたい、ブーンがいてこその世界だ
ξ゚⊿゚)ξ「謝ろう……」
嫉妬から突き放すような態度をとってしまったが、こんな状況なのだ
意地を張っていないで、傍にいて安心させてあげよう
きっとブーンも辛いことがあったに違いないのだから
何か元気の出る話題でもないだろうかと考えながら、用意してあったTシャツを着る
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと薄着過ぎるかな……?」
この格好でブーンの部屋に入っていったら、どうなるだろう
思わず緩んでしまった顔をペちペちと叩き、やはりと上着を羽織って外へ出た
そういえば、エリュシオンで再会をしてからこっち、二人きりで話すことがあまりなかったなと思う
ブーンは"ストレイヤー"のシュミレーションや足のリハビリばかりやっていたし、私も似たようなものだった
今日はブーンの部屋で寝ようかななどと考えながら、インターホンを押す
どうぞという声があって、一度深く深呼吸をしてから中に入った
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【2006/04/24 17:28 】 | ( ^ω^)ブーンはガンダムのパイロットのようです | comment(0) | trackback(0)

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