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【2017/08/24 06:27 】 |

( ^ω^)ブーンはガンダムのパイロットのようです part3
442:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 22:55:47.46 ID:QnGxQ/n30
ツンとアイベル、そしてその部下の二人のパイロットはブリーフィングルームで戦闘の作戦会議をしていた
各々が、それぞれ違う理由で緊張し、空気が張り詰めていた
アイベル「まず、はじめに言っておかなければならないことがあるわ」
アイベルはまだブーンのことを知らないパイロット二人に、事実を話す
話を聞いたパイロットは、一様に悲しんだ後、怒りをあらわにした
アイベルは敵軍にいる"アブソリュート"には、地球連合の兵が乗っていると言ったのだ
ブーンの情報がほとんど伝わっていないのは、全軍の士気のためだろうか
アイベル「どうやらやる気は十分のようね。じゃあ、私が考えた戦法なんだけど……」
周囲の人間が、ブーンを殺すための算段を立てている
結局、終始話し合いに参加することは出来なかった
アイベル「それじゃあ、頼むわよ二人とも。それとツン、あなたは私達のサポートよ。……いいわね?」
ξ゚⊿゚)ξ「わかった……」
他のパイロットが、こちらを訝しげに思ってか、視線を送ってきた
それを、見て見ぬふりをする
何故こんなことになってしまったのだろう
一体誰が、何が悪いというのだろう
戦争は人の心を麻痺させ、腐らせ、蝕んでいく


448:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:02:53.79 ID:QnGxQ/n30
CIC「前方700に敵戦艦及びMS4!」
(´・ω・`)「総員第一戦闘配備。対艦、対MS戦闘。内藤君とマナ君に出撃命令を」
CIC「了解!」
さっと指示を出し、戦闘準備を進める
(´・ω・`)「アンチビームスモーク出力最大で展開! 対空自動機銃用意、及びミサイル装填! 主砲チャージ!」
ヴィネ「…………」
あたかも定位置だとでもいった感じで、当然のようにヴィネはブリッジへついてきて、席におさまっていた
一挙一動も見逃すものか、という気迫すら感じられるほど、こちらを凝視している
(´・ω・`)「あんまりそうやって見られてると、集中できないんだけど」
ヴィネ「照れてるの?」
(´・ω・`)「今営倉って空いてる?」
CIC「ホライゾン機、マナ機発進! ……艦長ー、楽しいおしゃべりは後でゆっくりしてくださいよ」
(´・ω・`)「うるさい! ……僕たちも行くよ。すれ違いざまに全火力を叩き込む。こちらのアンチビームスモークのことを、向こうは知らない。装備に気付かれる前に、奇襲に使っておかないとね」
この艦が製造されるにあたって、秘密裏の兵器として、アンチビームスモークが設置された
戦艦をも一撃で破壊してしまうようなビームを防ぐため、ビームを拡散させてしまう透過の煙を、磁場で戦艦の周囲に展開させ続ける装備だ
これを展開していれば、低出力のビーム兵器や、レーザーを完全に無効化できる
しかしエネルギー消費が激しすぎるうえ、実弾装備には全く効果が無いので、MAなどへの実用にはいたっていない
以前の不意打ちのお返しを、してやらなければな


449:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:07:08.84 ID:QnGxQ/n30
(´・ω・`)「敵戦艦へ最大戦速!」
操舵士「了解! ……強引ですね」
CIC「ねー。 まったく、昨日の夜といい、この戦法といい……」
(´・ω・`)「うるさいうるさい!」
CIC「ねぇねぇ、後でなにをしていたのか教えてくださいよ」
(´・ω・`)「戦闘に集中しろ!」
怒鳴りつけると、しぶしぶと言った感じで自分の仕事に集中し始めた
まったく、能力は高いんだが……
自己修復ガラスから外を覗くと、敵のMSの集団へ、紅い閃光が走っていった
……死ぬなよ、君達


450:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:09:51.57 ID:QnGxQ/n30
アイベル「いくわよ、皆! 遅れないでよ!」
アイベルの掛け声と共に、一斉に"ストラス"と2機の"ハルパス"が飛び出していった
自分もコックピットに乗り込み、OSを立ち上げる
リニアカタパルトへ向かうMSの操縦桿が重い
思い出が、焼き尽くされてしまう
ξ゚⊿゚)ξ「ツン、"レイジ"、出るわ」
"レイジ"も射出される
バーニアを吹かしながら、戦艦から飛び出した深紅の機体を見つめる
あれは、敵
そう自分に言い聞かせて、機体を駆った


452:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:13:12.05 ID:QnGxQ/n30
前回乗ったときよりも、操縦桿が軽い
スラスター効率を上げたからだろうか
フットペダルを踏み込み、さらに加速を加える
軽い小気味よさを覚えながら、ビームサーベルを抜き払う
かなり遅れて、マナの"ラジアル"が射出された
周波帯をあわせ、通信回線を開く
( ^ω^)「マナ! 行くよ!」
マナ「ええ、行きましょう!」
よし、と通信を切り、敵を睨む
前方に3機のMSが展開していた
遅れて"レイジ"が飛び出してくる
( ^ω^)「お前らなんかぁ!」
叫びながら、翼を広げた


453:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:18:17.46 ID:QnGxQ/n30
アイベル「いい? 手筈通りいくわよ! 発射!」
何の考えもなしに、ただ闇雲に突っ込んでくる"アブソリュート"に、バズーカを撃つ
そう、ブーン君の悪い癖
撃ちかけたバズーカの弾を、"アブソリュート"はギリギリまで引き寄せ、機体をひねらせてホーミングを切り、避けた
見とれるほどの操縦技術
これもブーン君の悪い癖
時限式で炸裂した弾薬が、"アブソリュート"の真横で炸裂した
"アブソリュート"は吹き飛び、機体の表面が焦げる
さすが最新式と言ったところか、機体自体に致命傷と言うほどのダメージは見受けられなかった
再び撃ちかけると、機体を翻して距離をとり、離れていった
アイベル「いい? バズーカを撃つタイミングは0.5S間隔で! 距離をとられたらブーメランに警戒しつつ、ライフルで牽制!」
彼に近接格闘戦を挑んでも、多勢に無勢であったとしても勝ち目は薄い
かといってビームライフルを乱射したところで、あの網目を縫うような回避能力の前では、まず当たらない
ならば爆風を伴うバズーカで、というのが私の提案した戦法だった
物量の圧倒的に貧困な宇宙連合軍にとって、バズーカは貴重な質量兵器だった
それを大量に投入することを決定した上層部も、彼の「処理」には本腰を入れているということだ
確実に彼を墜とすか、行動不能にしなければならない


455:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:21:40.31 ID:QnGxQ/n30
"アブソリュート"は、再びのバズーカ攻撃を警戒してか、こちらに近づけずにいた
苦し紛れに放たれるビームライフルも、かわすのに造作はない
アイベル「次の機会で必ず墜とす! 一斉射撃の準備を!」
言いながら、バズーカのカートリッジを交換する
遠距離からの攻撃方法にろくなものの無い"アブソリュート"は、ビームサーベルをジョイントさせ、やはり突っ込んできた
作戦は正しかったようだ
……ブーン君……
アイベル「ごめんね……」
三機がバズーカを構え、狙いを定める
アブソリュートを囲うように、三機で同時にバズーカを放つ
しかしそれは、突然に手元で暴発し、爆発した
アイベル「ぐっ!? な、なに……?」
爆風に吹き飛ばされた機体を立て直し、正面を見据える
すると、辺りを覆っていた爆風を、何かが振り払っていった
MA……!?
それを目で追う
馬鹿な、レーダーには何も――――
次の瞬間には、"アブソリュート"が眼前に肉薄していた
"アブソリュート"が腕を振るうと、横殴りの衝撃が機体を襲った
衝撃に耐えられず意識はかき消され、深いところへと沈んでいった……


457:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:28:51.36 ID:QnGxQ/n30
( ^ω^)「マナちゃん! 大成功だお!」
マナ<はい! やりましたね!>
マナが死角から突撃し、武器を破壊して離脱する
そして、丸腰となった敵を、自分が倒す
後退した一瞬にマナが提案したそれは、大成功だった
アンチビームスモークを、戦艦にいた一瞬に少しだけ機体にまとわせ、レーダーに引っかからないようにしたらしい
質量の大きい戦艦でこそ不可能だが、小型且つステルス機能のついたMAなら、MSの索敵精度をもってしても捕らえられなくなるらしい
よくそこまで頭が回るな、と感心する
( ^ω^)「後は……!」
背後で呆然と戦闘を眺めていたMSに機体を向ける
あの淡紅色の機体、今日こそ……
( ^ω^)「行くよ!」
マナ「はい!」
敵を排除するために、戦う
皆を守るんだ
機体を走らせるブーンは、彼女が自分の仲間だったということを、忘れていた


461:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:33:26.45 ID:QnGxQ/n30
ξ゚⊿゚)ξ「アイ……ベル……? 皆……?」
ばらばらと海へと落ちていく残骸
切り裂かれた機体は、その中の未来ある人間の命ごと、爆散していった
割り切れなかった
ブーンを敵だと、殺さなければいけないのだと考えていても
私には出来なかった
その結果が、仲間の死
殺さ無ければならなかったんだ、こうなる前に
甘かったんだ
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン……ッ!」
"アブソリュート"がこちらへ向かってくる
ビームライフルを構え、照準をコックピットに付ける
ξ゚⊿゚)ξ「うあぁぁぁぁぁぁ!」
全ての火器の口を"アブソリュート"に向け、雨の様に撃ち放つ
溢れ出す、涙のように
殺せなきゃ殺されてしまうんだ
殺せ、こいつを
敵を


462:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:36:54.33 ID:QnGxQ/n30
( ^ω^)「くっ!? 錯乱したのか!?」
そう思わせるほど、"レイジ"の射撃は激しい
ビームライフルを2丁構え、肩に乗ったビームガトリングもせわしなくビームを吐き出している
はじめはただただ連射しているだけかとも思ったが、どうやら違うということがわかった
全てのビームの軌跡が"アブソリュート"の機体を捉え、致命傷を与えんとついてくる
止まれば、蜂の巣にされる
必死で機体を振り回し、、射線から機体を外す
マナ「うっ、くっ……! きゃっ!?」
通信機からマナの悲鳴が聞こえる
いくらアンチビームスモークで機体を覆っているとはいえ、このビームの驟雨の中では効果など無いに等しい
ビームの隙間を縫うように飛び、マナの"ラジアル"の前に踊り出る
( ^ω^)「あとは僕が! マナちゃんは離れて!」
マナ「は、はい!」
いつかの如くジョイントさせたサーベルを回転させ、ビームを弾く
しかし、今回は前とは違った
サーベルの光刃が、先程のバズーカの爆発で弱まってしまっている
ジェネレーターが破損したようだ
弾ききれなかったビームが機体を掠め、溶かし、削り取っていく
危険を示すアラートが、コックピットに鳴り響く
このままこの状態が続けば、いずれ光刃が消失する
もうダメかと思った瞬間、突然に攻撃がやんだ
"レイジ"を見やると、虚しくライフルを構えたまま止まっている
バッテリーが切れたんだ―――!
この機を逃さず、機体を立て直して、"レイジ"に突撃した


464:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:41:59.96 ID:QnGxQ/n30
ξ゚⊿゚)ξ「バッテリー切れ!? くっ!」
連射が過ぎ、バッテリーが底をついた
二門をもつのビームライフルと、六門のビームガトリングは、エネルギーの消費が激しい
チャージが完了するまで、まともな攻撃は出来ない
確実に機体を捉えた射撃しか、おこなっていないはずだった
機体の進行方向を確実に先読みし、その方向と機体に向けてビームをばら撒く
しかしそのいずれもが回避され、機体には致命傷が与えられなかった
元々ブーンは機体の操縦が上手かった
それに機動面の性能を重視した"アブソリュート"の力が加わって、あれか
仕方無しにビームジャベリンを抜く
"アブソリュート"のビームサ―ベルは光刃は、力ない光を放っている
機体自体の損傷も、かなりのもの
これなら―――
ξ゚⊿゚)ξ「はぁぁぁぁぁぁ!」
機体を切り裂こうと、ジャベリンを横一閃する
しかし、"アブソリュート"はその場のバレルロールで攻撃を避け、逆にこちらの機体を蹴り上げた
吹き飛ばされた機体を立て直しながら、歯噛みする
これほどまでに違うというのか、私と敵の実力差は
だが、ここで諦めるわけにはいかない
この敵のせいで死んでいった、死んでいくかもしれない仲間のためにも、ここで息の根を止めてやる


465:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:44:17.58 ID:QnGxQ/n30
再びジャベリンを一閃する
またも"アブソリュート"はそれを避け、こちらに襲い掛かる
回避から攻撃に移るその隙を逃さず、微かにチャージされたビームガトリングを放つ
"アブソリュート"の左手のマニュピレーターを潰した
ξ゚⊿゚)ξ「お前は、ここでェ!」
バランスを崩した"アブソリュート"のコックピットに、ビームジャベリンを突き立てる
が、予想していた爆発は起きなかった
ジャベリンは、ビームサーベルが出力している先端を切り落とされていた
ξ゚⊿゚)ξ「な!? そんな―――」
体勢を立て直した"アブソリュート"は、生きている右腕でビームサーベルを持ち、それを振り下ろした
アラートが鳴り響く
これで、終わりか―――
きゅっと体をすくませ、目を瞑る
……予想は、再び裏切られた
"アブソリュート"の光刃は、消失してしまっている
瞬時に、計器に目をやる
ビームライフル・バッテリー1%-01射
形容しがたい高揚さで、体に鳥肌が立つ
殺れる―――――
ビームライフルを構え、コックピットに照準を合わせる
その瞬間、背後で巨大な爆発が起こった


466:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:50:26.68 ID:QnGxQ/n30
巨大な爆音で、一瞬動きが止まった"レイジ"の射線を振り切って、距離をとる
こちらの動きに気付いた"レイジ"が撃ってきたが、シールドで受けた
( ^ω^)「"イシューリエル"!? どうしたの!?」
巨大な戦艦が爆煙を上げている
しかし、"イシューリエル"にはたいしたダメージは見受けられず、敵の戦艦は敗走を始めていた
敵の戦艦が、帰艦を示す信号弾を撃った
"レイジ"は一瞬ためらった様子だったが、すぐに機体を翻して帰っていった
CIC<こちらの勝利です! 二人とも、帰艦して!>
止めを刺せばいいものを、と思ったが、艦長は深追いせずに逃がすようだ
敵の戦艦はそそくさと雲の中に隠れていった
勝った―――
魂の抜けるような脱力、安堵を覚える
しばらく機体を泳がせて放心していると、背中のバーニアスラスターが故障したのか、小規模な爆発が起こったあと、高度が取れなくなってきた
( ^ω^)「わっ、わっ! き、帰艦します!」
マナ「大丈夫ですか? 先に帰艦して、待っていますね」
マナが先に行ってしまう
フラフラおぼつかない機体を操って、母艦を目指す
高度を落としていたので、海がモニターに広がる
オイルの浮いた青い海に、MSの破片が浮いている
僕が倒したんだ、僕の戦果―――
にやりと顔を歪める
守れたんだ、皆を
やり遂げたという達成感で、胸に暖かいものが満ちた


468:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/12(日) 23:57:23.15 ID:QnGxQ/n30
( ^ω^)「倒したMSの回収?」
整備士「ああ。奴等のMSのデータを収集できる絶好のチャンスだ。……まぁ、この紅いのだけでもいいんだけどよ。
やっぱり量産機のデータもあったほうがいいんでな。っつーことで今から回収作業、ってわけ」
帰艦したブーンたちに感謝を漏らすのもほどほどに、クルー達は皆あわただしく動いていた
整備士「でもお前さん、あれバラバラにしちまってたろ? OSの生きてる機体が残ってりゃいいんだけどな」
適当に整備士との会話を切り上げ、パイロットルームで休むことにした
自動扉に招き入れられると、中でパイロットスーツのまま、マナがソファーに転がっていた
マナ「あ……お帰りなさいです。お疲れ様でした」
むくりと体を持ち上げると、微笑みながら言った
( ^ω^)「ただいまだお。マナちゃんのおかげで勝てたお」
マナ「いえ……私は何も……。内藤さんが強かったから、勝てたんですよ」
( ^ω^)「マナちゃん……。ありがとうだお」
マナの隣に腰をおろす
( ^ω^)「なんだか辛そうだけど……大丈夫かお?」
マナ「あ……その……」
( ^ω^)「あ、もしかしてあの日かお?」
マナ「……あの日? ……あ。ち、違いますよ! そ、その……寝不足です」
マナが顔を真っ赤にして否定する
やっぱり可愛いなぁ、この子は
軽いセクハラをしながら、そう思う


469:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/13(月) 00:00:33.65 ID:kIHUpQpN0
( ^ω^)「それより、あんな作戦思いつくなんて凄いお。感動したお」
マナ「あ、あれはたまたま、偶然です。昨日艦長に、この艦の装備を一通り聞いておいたんです。
戦闘中に味方の武装を把握していないと、ちゃんと作戦も考えられないですから」
( ^ω^)「しっかりしてるなぁ……」
賛辞の言葉を口にすると、満足気ににっこりと微笑んだ
しかし、またすぐに暗い顔をして俯いてしまう
この子は、一体何を求めているのだろうか……
その時、ベッドからクルーのざわめきが聞こえた
マナ「なんでしょうかね?」
( ^ω^)「さぁ……とりあえず、行ってみようか?」
はい、と頷いたマナと共に、ざわめきの元へと足を運んだ


470:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/13(月) 00:02:22.80 ID:kIHUpQpN0
ざわめくクルーの前には、引き上げられたMSの残骸があった
( ^ω^)「これ、回収したやつかお?」
残骸に目を向けながら、そばにいたクルーに声をかける
残骸はMSの上半身だった
数人の整備士が取り付き、何かをしている
クルー「ああ、そうみたいだぜ。……しっかし、これお前さんがやったんだろ? これからも頑張ってくれよ。マナちゃんもな」
クルーはマナとブーンの頭にぽんと手を置くと、そう言った
( ^ω^)「えへ……ありがとうだお。頑張るお」
照れていると、ざわめきがいっそう強くなった
慌ててクルーを掻き分けて前に見に行くと、コックピットのハッチが開いていた
中には、赤髪の女性が、ぐったりと横たわっていた

471:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/13(月) 00:05:02.92 ID:kIHUpQpN0
整備士A「TWS-102"ストラス"か……。OSが生きてるとは思わなかったな」
整備士B「だなー。……ってか、お前これのパイロット見た?」
データの収集中だというのに、またこいつは余計なことを言い出した
整備士A「見たが。……なんだ?」
整備士B「かーっ! 枯れてんなぁ、お前はよ! ありゃかなりの美人だったぜ!?」
整備士A「……ヘルメットをしていたが?」
整備士B「バイザーは上がってたんだよ! 胸も結構あったしなー。
マナちゃんもなかなか可愛いけどよ、やっぱり女の子は胸が大きい方がいいよなー?」
整備士A「そうだな」
適当に相槌を打ち、会話を終わらせる
いちいち反応していてはきりが無い
仲間の整備士はうんうん、などと呟きながら、自分の世界へと入っていった
……なにが可愛い、だ
俺たちも、あの女も、人を殺してきているんだぞ
人の想いを、未来を、愛する人を奪い、これからも奪い続けていく
愛する資格も、愛される資格も無い
その事実に、心が沈む
一体、俺たちはどこまでこの罪を広げていくのだろう
いつか世界から憎しみが消える日が、来るのだろうか
―――信じるしかない
この戦いの果てにある、結末を……
整備士B「なーなー、お前って何カップが好きなの?」
整備士A「……お前は気楽でいいよな……」
なんだよそれー、と口を尖らせている仲間を他所に、解析を続けた
彼のように、この先にあるものが幸せだと根拠無く信じられたら、幸せなのだろうな……
絶望に打ちひしがれそうになる心を必死で誤魔化し、罪を重ねるために作業を進めた


472:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/13(月) 00:06:09.74 ID:kIHUpQpN0
( ^ω^)「あのパイロットさん、生きてるのかな……」
再びパイロットルームへ戻り、長椅子に腰を下ろした
すでに着替えを済ませ、ドリンクを片手にリラックスしている
マナ「さぁ、どうなんでしょうか……。でも生きていたら、それはそれで辛いかもしれません」
( ^ω^)「え? なんで?」
マナの言うことが理解できず、問うた
マナは辛そうに顔を伏せ、言った
マナ「おそらく、彼女が持っている情報。それは、こちらにとってかなり有用なものです。ですから―――」
そこまで言うと、マナは言葉を切った
ブーンも言わんとすることがわかったので、深くは聞かなかった
きっと、あの艦長ならばそんなことはすまいと勝手に考え、その可能性をこれ以上考えることをやめた
( ^ω^)「…………」
マナ「…………」
( ^ω^)「…………」
マナ「あの……」
( ^ω^)「なにかお?」
マナは口を開くのを、少しためらっている様子だった
しかし、意を決したのか、すこし大きな声で言った
マナ「あの、もしあの人がもし無事だったなら、会って話をしてきたほうが言いと思うんです」
( ^ω^)「え? なんで?」
マナ「きっとあの人は、内藤さんのことよく知っていると思います。……根拠はありませんが、なんとなくそんな気がするんです」
( ^ω^)「…………」
マナ「昔の自分のこと、聞いてきてください」
( ^ω^)「……わかったお」
マナ「ごめんなさい、変なこと言って……」
それだけ言うと、マナはそそくさと出ていってしまった
心なしか、辛そうだった
やっぱり、あの日なのかな、などと馬鹿げた考えをする自分に苦笑しながら、後を追った


473:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/13(月) 00:09:07.09 ID:kIHUpQpN0
(´・ω・`)「敵のMSのパイロットさん、ね……。どうも、そういう自体に巻き込まれるのが好きみたいだね、僕達は」
ブリッジにハンガーから入ってきた報告を聞き、一人ごちる
また記憶をなくしていたら―――そんな偶然はない、か
ならば、尋問をするしかない
敵軍の情報は、とてつもなく貴重なものだ
次に何処を攻撃する予定なのか、開発されつつある兵器の情報は
聞きたいことは、山ほどある
しかし、簡単に吐いてくれるとは、到底思えない
なら―――
しかし、自分にそれをするという選択肢は、存在していない
気持の悪くなることは、極力したくない
(´・ω・`)「……気持ちの悪いこと、か……」
ヴィネ「ねぇ、さっきの捕虜の話だけど、尋問して情報を得ることは出来ないのかしら?」
(´・ω・`)「出来ないことは無いが、したくない」
ヴィネ「え? なにを言ってるのよ? したくないって、どういうこと?」
(´・ω・`)「気持ちが悪いんだ、そういうことは……」
言っていて、馬鹿らしくなる
なにが気持が悪くなる、だ
今さっき自分は、なにをしてきたのだ? 
敵の戦艦に大穴を空けて、一体何人の人を殺したというのだ 
実際に質量が感じられる、感情が感じられるものを手にかけることで起こる、モニター越しには感じない極度の罪悪感を感じることが、嫌なだけなのだ
情けない、卑怯者だ


474:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/13(月) 00:09:35.67 ID:kIHUpQpN0
(´・ω・`)「捕虜への尋問は行わない」
ヴィネ「得られる情報で、どれだけの利があるかわからないわけじゃないでしょう!? 尋問はしたほうが―――」
(´・ω・`)「なら、内藤君にもおこなうか?」
ヴィネ「だ、だって彼は……」
(´・ω・`)「この艦の指揮権は僕にある。いいから、黙っていろ」
無茶な意見を押し付け、黙らせる
自分は予想以上に艦長には向いていないかもしれない
ブリッジで作業をしていたクルーに休養を取るように言い、自室へと戻る
その途中、ふと気付く
情けない、卑怯者―――?
そんなはずが無い
誰もが感じる、血の通った感情
モニター越しに人を殺すことだって、したくない
だから逃がした、止めを刺すこともしない
戦争は人の心を麻痺させ、腐らせ、蝕んでいく
僕は、飲み込まれない


475:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/03/13(月) 00:10:36.61 ID:kIHUpQpN0
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
機体を母艦へと着艦させると、そこには酷い光景が広がっていた
左舷はほぼ破壊され、人の千切れた死体が転がっている
泣きながらそれを処理しているクルーの姿が痛々しい
その光景から目を離し、自らハンガーへとMSを進めた
コックピットからは降りず、ヘルメットを外し、力なく床へと落とす
OSを落とし、体を操縦席に預け、体の緊張を解いた
体一杯に、よくわからない感情が渦巻いている
アイベル達を殺されたという怒りよりも、敵を殺せなかったという悔しさよりも強い
そう、これは―――恐怖だ
ただ敵を殺そうと、憎しみの感情に体を浸し、ただ相手の命を欲していた、自分に対しての
あの殺伐とした感情に、体が震える
自分は、一体どうしてしまったというのだろう
怖い……逃げたい……もう、やめたい……
なら、どうすればいいというのだ?
―――殺すか、殺されるしかないじゃないか
簡単な答え
今の自分が持っている、自明の答え
取り戻せないのなら……
次が、最後だ
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【2006/03/12 13:16 】 | ( ^ω^)ブーンはガンダムのパイロットのようです | comment(0) | trackback(0)

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