1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:18:16.15 ID:H1RKSS2i0
月明かりに照らされた夜に、黒衣を身に纏った一陣の風が走った。 
       /⌒ヽ 
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 
     |■■■▼       ブーン 
      ▲■■▲ 
      ノ>ノ  
  三  レレ 
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:21:21.36 ID:H1RKSS2i0
~若者の街シブヤ~ 
官能的なネオンに照らされ、酒とタバコと女の匂いでむせ返るようなこの街。 
その光とは対照的な路地裏で、今、一つの命が消えようとしていた。 
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:24:25.81 ID:H1RKSS2i0
DQN1「ハァッ・・・・ハァッ・・・」 
無造作に放り捨てられた雑巾のように、男の体はボロボロになっていた。 
何故男がこのような姿になったのか、それを語る術は今となっては無いに等しい。 
一つ分かっていることといえば、男の寿命はあと僅かだということだけであった。 
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:27:05.29 ID:H1RKSS2i0
DQN1「あぁ…目…目が・・・見え・・・」 
男の視界は、既に無いに等しかった。 
しかし、それでも男は光を求め宙を仰ぐ。 
そんな男の目に、不可思議なモノが映った。 
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:27:40.12 ID:H1RKSS2i0
       /⌒ヽ  
⊂二二二( ^ω^)二⊃  
     |■■■▼       ブーン  
      ▲■■▲  
      ノ>ノ   
  三  レレ  
DQN1「………豚?」 
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:32:01.83 ID:H1RKSS2i0
豚とも何とも形容しがたいモノは、男の傍へ音も無く近寄ってきた。 
なんとも滑稽な顔をしているが、漆黒のローブに包まれた体からは、何とも言えない威圧感を感じた。 
血を失いすぎたか、男は自分が見ているものを幻で片付けようとした。 
しかし、その幻は自らの意思で口を開いた。 
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:34:11.20 ID:H1RKSS2i0
( ^ω^)「僕は死神ですお」 
DQN1「…こんな幻が見えちゃ、いよいよ俺も最後か」 
あまりの間抜けさに、思わず自嘲的なため息が漏れる。 
そんなことはお構いなしに、死神は言葉を続けた。 
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:37:05.09 ID:H1RKSS2i0
( ^ω^)「君に三つの選択肢を与えるお」 
( ^ω^)「一つはこのまま成仏するがいいお」 
( ^ω^)「もう一つは、誰か一人を呪い殺して一緒に地獄にいくおwwwww」 
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:38:58.37 ID:H1RKSS2i0
( ^ω^)「そして最後は…」 
突如、死神の声のトーンが落ちた。 
それがどんな意味を持つか、男には分からなかった。 
( ^ω^)「地縛霊となって、永久に地上をさまようんだお」 
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:40:30.26 ID:H1RKSS2i0
男の腹は決まっていた。 
自分をボコボコにしたアイツが憎い。 
そして俺が手遅れなのだとしたら…… 
DQN「……道連れにしてやるよ」 
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:44:22.96 ID:H1RKSS2i0
( ^ω^)「君はそれで後悔しないのかお?」 
予想だにしない質問に、一瞬男はうろたえた。 
間髪入れずに死神が口をきく。 
( ^ω^)「このまま死ねば、君は成仏できるんだお。 
      一時の気の迷いで死後も苦しむつもりかお?」 
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:45:26.57 ID:H1RKSS2i0
男は残された体力を、全て思考に費やした。 
そして…… 
男はゆっくりと目を閉じた。 
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:46:39.71 ID:H1RKSS2i0
( ^ω^)「……これでいいんだお」 
       /⌒ヽ  
⊂二二二( ^ω^)二⊃  
     |■■■▼       ブーン  
      ▲■■▲  
      ノ>ノ   
  三  レレ  
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/27(月) 00:48:35.42 ID:H1RKSS2i0
黒衣の白豚は夜闇へと消えていった。 
後に残されたのは、冷たくなった男の体のみであった。 
プロローグ『DEVIL』・完 
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