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【2017/06/26 16:06 】 |

( ^ω^)ブーンはガンダムのパイロットのようです part12
4:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:34:34.99 ID:UO3VBjVi0
ネルガルのお願い、という声が聞こえ、機体を走らせる
双方の会話を傍受し、大方の内容は把握していた
ここでのお願いは、敵を殺すことなく戦闘不能にしろという命令だ
"ラグナロク"を数機、"イシューリエル"の機関部に向けて飛ばす
敵を殺さずに戦闘不能にするという行為は、なんともストレスの溜まる作業だ
僕の不幸の元凶、こんな奴等など殺してしまえばいいのに
撃ちますよと言ったわりにいつまでも発射の気配がない砲と、"ラグナロク"に向けてビームを軽く数発放つ
臨界していたこともあってか砲は大きな誘爆を起こし、機関部からも火の手が上がった
すっと目を細め、更にブリッジをロックスクウェアに入れる
ネルガル<エア、待って>
"パニッシュ"がビームライフルを艦に向けたのを見ていたのか、通信機から制止の声が入った
小さく溜め息をつきながら、"パニッシュ"の腕を下げる
こんな奴等がいなければ、世界は平和だったのだ
はじめからいなければ
掴んでいたレバーを、ぎりぎりと握り締める
母さん……
白亜の艦からは、救命ポッドが射出され始めた


5:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:34:50.48 ID:UO3VBjVi0
臨界していた主砲が打ち抜かれ、大きな爆発が起こった
艦に強烈な衝撃が走り、アームレストを握り締めて耐える
女性クルーの悲鳴が、ブリッジに響いた
CIC「か、艦長! 死ぬ!」
(´・ω・`)「だ、大丈夫、多分……」
CIC「何がしたいのよー!」
ころんと椅子から投げ出されてふよふよと宙を浮いているCICが、非難めいた声で叫ぶ
操舵士が必死で艦を制動しようとしているが、艦は安定を取り戻さない
後ろから再び突き上げるような衝撃が襲い、前につんのめりそうになる
クルー「機関部破損! 推力低下!」
上手く壊してくれた、後は……
ガラス越しに黒の機体を見ると、ビームライフルをこちらに向けていた
銃口を見つめながら、祈る
すっと腕が下げられるのを確認して、脱力して椅子にもたれかかった

6:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:35:06.46 ID:UO3VBjVi0
(´・ω・`)「救命ポッドで脱出してって、艦内に通信を入れて」
CIC「え、脱出?」
CICが方眉を上げながら、怪訝な目をこちらに向けた
(´・ω・`)「いいから、お願い。どのみち戦闘の続行は無理だよ」
訝しむ様な目線を流して、目を瞑る
艦のクルー達を、僕の自分勝手に巻き込んでしまうわけにはいかない
僕がヴィネに出来ること、それはヴィネに自分で考える機会を作ってあげることだ
妄信的に父の言うことを信じ実行するのではなく、自分の考えを持って欲しい
その機会を作るために、どんな犠牲を払っても
CIC「脱出開始しました、って。私達も行きますか?」
(´・ω・`)「ごめん、僕は行かない」
そう返し、再び通信回線を開く
機嫌悪そうに頬杖をついていた少女の顔が、アップになった


7:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:35:28.15 ID:UO3VBjVi0
ヱイル<な、なんだ?>
少女は恥ずかしそうに頬を赤らめると、さっと身を引いた
しかしすぐに威嚇するような表情を作り、こちらを睨んでくる
(´・ω・`)「そちらの首長ともう一度話がしたい。変わってもらえるかな?」
意味がわからないといったふうに少女は眉をひそめ、しぶしぶ手許の計器を弄り始めた
一瞬の電子音の後、画面が切り替わる
ネルガル<なんでしょう?>
(´・ω・`)「あなた方と、行動を共にさせていただきたい」
艦長である僕が出て行かないせいか、未だにブリッジに残っていたクルー達が、微かにざわめいた
僕の目的を一番いい形で実行するのなら、彼等を利用した方がいい
(´・ω・`)「思想まで同じというわけではない。ですが、この戦争は気持ちが悪い。そして、僕になら止められるかもしれない」
先程まで微笑みをたたえていたネルガルの顔が、一瞬だけ鋭利さをもった気がした
この戦争を止められるとしたら、オットフリートとの接点があるヴィネだけだろう
他の将校は既に、考えることを止めている
だがヴィネは違う、戦争を嫌がっていた
もっとも、僕と離れることが嫌なだけかもしれないが、それはそれでいい


8:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:35:57.58 ID:UO3VBjVi0
(´・ω・`)「確証も根拠もない。ですが、なんとかしたい。そのためにあなた方を利用させてもらいたいのです」
ネルガル<……そうですか……>
一瞬だけ考えるように目を閉じると、では共に、とすぐに口を開いた
あっけなく了承を出され、少し拍子抜けする
微笑みながら発されたその言葉を聞いてか、またそのすぐ後ろで少女が怒鳴る声が聞こえた
ネルガルが振り返って何か一言だけ言うと、納得したのか、怒鳴り声が声がおさまった
ネルガル<目的も考えも違う、けれど我々の求める理想は同じです。拒む理由は、ないですよね>
(´・ω・`)「……ありがとうございます」
ネルガル<では、こちらの艦の後ろへ回りこめますか? そこは危ないですよ>
危ないと言われて、強化ガラスの向こう側を覗いてみた
いくつかの救命ポッドが、自軍の最寄の艦へと向って走っている
今この場に留まっているクルーにも、脱出してもらわなければ
(´・ω・`)「ごめんね、皆。さっき言ったとおりだ。皆は、脱出してくれ」
CIC「ねぇ、艦長。反逆罪になるよ?」
(´・ω・`)「わかってる……」
気まずい沈黙を破ってくれるのは、いつも彼女だった
いくら元生徒とはいえ、クルー達には本当に申し訳ないと思う
最新鋭艦且つ議会からも一目置かれている"イシューリエル"のクルーであることは、軍においてはかなりのステ―タスになるはずだ
それを自分の一存で被撃沈させ、クルー達を脱出という名目で艦から追い出し、あまつさえ自分はそのまま裏切ろうというのだから
エゴだと恨まれるかもしれない、だがこうしなければ、きっと彼等もいつまでたっても軍にいなければならなくなる
相手を叩き潰しても、いつかは元に戻る
そうすればまた戦争だ
軍などというものは本来必要ないものなのだ、確かに平和ならば

10:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:36:35.11 ID:UO3VBjVi0
CIC「……本気なの?」
(´・ω・`)「うん、ごめんね。謝って許してもらえるとは思ってないけど……」
CIC「あの、私も残っていいですか?」
にっこりと笑みをたたえながら、CICがそう言った
一瞬理解が及ばず、きょとんとしてしまう
(´・ω・`)「え……いや……。い、いいけど、いいの?」
相変わらず言動が読めないと、汗をかく
CIC「このまま戦争続けても、ホントに終るか怪しいですもんねー。艦長が止められるっていうなら、私も手伝いますよ」
いつものように大して何も考えていないような顔で、そう言った
軍を裏切るという行為が、どれだけのことか解っているのだろうか
脱走の罪を被るのは、僕だけでいいのだ
それを言及しようと口を開きかけると、CICは、ねー? と傍にいた操舵士に話を振っていた
操舵士が頷くのを見て、CICは更に皆もそうだよね? と立ち上がる
周りからちらほらと、賛同の意が漏れた


11:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:37:13.35 ID:UO3VBjVi0
CIC「私達は地球連合じゃなくて、艦長についてきたんだもの。何処までもついていきますよ。……あー、でも、全部終らせたらなんか奢ってくださいよ、先生?」
さっそくCICがなにを奢ってもらおうかと皆に話を振り、皆が好き勝手に話し出した
ざわめきが大きくなり、誰もブリッジから出ていこうとしない
(´・ω・`)「まったく、お前らは……」
呆れたような声を出そうと努めたが、自分でも不自然なくらいに震えてしまっていた
不覚にも、胸に熱いものがこみ上げる
(´・ω・`)「じゃあ、悪いけど付き合ってもらうからな」
そう言うと、ちゃんと奢ってよー、と野次が飛び交った
少しはシリアス場面にしろよと呟くも、自分も顔がにやけてしまう
まったく、僕がわざわざこんなことをするのは、この若い教え子たちのためでもあるというのに
少しは気持ちを汲んで欲しいものだ
それでも、この意想外の協力者達の存在は、とても嬉しいものだった
言葉にすることが恥ずかしく、心の中だけで感謝をする
ありがとうな、みんな……


12:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:37:34.47 ID:UO3VBjVi0
ゼノン「なんなんだよコイツは!」
白い機体へ攻撃を続けるも、なかなか機体を撃破することが出来ない
苛立ち紛れに叫びバズーカを撃ちかけるも、それは機体に届く前に不自然な方向からのビームに射られ、爆散した
ゼノン「どっから撃ってきてやがんだ!?」
どこかにMSでもいるのだろうか、いやMAか?
どちらにしろ、サーチロックできる的ではないらしい
白いMSを視界に入れながらも、辺りを見回す
視界の端で微かに何かがスラスターを吹かし、小刻みな移動を繰り返していた
どうやら、あれが砲撃をしているらしい
ちょこまかと……!
ゼノン「うぜぇんだよぉぉぉ!」
がなり声を上げながら、無茶苦茶にビーム砲とバズーカを乱射する
目を凝らさなければわからないような小さな点に、ピンポイントで当てる自信などない
ならば乱射して、下手な鉄砲なんとやらだ
そもそも本来、この機体はこの使い方で正しいのだ、多分
赤い機体にミサイルポッドを破壊されて、幾分か威力は落ちてしまってはいるが


13:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:37:49.89 ID:UO3VBjVi0
ゼノン「死ねこらぁぁぁ!」
驚いたように白い機体が距離をとり、離れていった
狙いもつけず放ったバズーカの弾が、何発か爆発する
当たった……のだろうか?
ツァール<馬鹿……危ない……!>
ゼノン「うおっ!?」
"スルーター"が放ったビームが、左のバズーカを貫いていった
咄嗟にそれを手放し、機体を遠ざける
装填されていた弾薬が誘爆を起こし、機体が爆風に揺れる
ゼノン「何しやがるこの、馬鹿!」
ツァール<私に当たる……>
ゼノン「避けろ!」
簡単にそう返し、今度はあの白いMSに照準を合わせる
すると抜く手も見せず白い機体がビームライフルを構え、放たれた熱線がバズーカを貫いた
今度は咄嗟に反応できず吹き飛ばされ、衝撃に呻く


14:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:38:05.66 ID:UO3VBjVi0
ξ゚⊿゚)ξ<いい加減にしなさいよ! さっき戦いやめろって通信入ったでしょ!?>
ゼノン「はぁ……?」
突然女の声が通信機から入ってきて、きょとんとしてマルチモニターに目を向ける
見たことのない女が眉を寄せ、目尻をきりきりと吊り上げていた
ゼノン「てめぇ誰だよ!? なんでこっちの周波帯知ってんだ!?」
ξ゚⊿゚)ξ<うるさいわね! 知ってるから知ってるんでしょ!?>
ゼノン「いや、答えになってねぇ……」
モニターの中で、女がきゃいきゃいと怒鳴っている
戦いを止めろといっている連中は、どうやら宇宙連合ではないらしい
あの青い機体とも戦っているし、更に俺たちにもちょっかいをかけているいうことは、第3勢力ということか
どちらにしろ敵なら別に何でもいい
それにしても、手持ち無沙汰になってしまった
何かないかと辺りを見回すと、撃墜されて漂っていた"ストラス"のシールドを見つけたので、仕方なしに手に取る
武装はこれと、ビーム砲だけ
少し辛いか……


15:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:38:32.11 ID:UO3VBjVi0
ξ゚⊿゚)ξ<だから戦いを止めなさいって言ってるの! 聞こえないの!?>
ゼノン「うっせーよ! でかい声出すな、馬鹿!」
ξ゚⊿゚)ξ<誰が馬鹿ですって!?>
激昂したのか、白い機体がこちらに向けて突進してくる
白い機体の背後で何かがぱっと散開し、展開していった
不規則に全方位から放たれるビームを機体を振り回して避け、拾ったシールドで弾く
身軽になったこともあるが、攻撃が先程より軽くなっている
やはり先程の乱射で、数機を叩き落せたらしい
ξ゚⊿゚)ξ<あんたのせいで"ファンネル"減ったじゃない! どうしてくれんのよ!>
ゼノン「へっ! ざまぁみろ、バーカ!」
ξ゚⊿゚)ξ<私は馬鹿じゃないわよ!>
白い機体がビームサーベルを抜き放ち、斬りかかってきたのをシールドで防御する
受けたまま腰のビーム砲を跳ね上げて腹部を狙うも、機体の下半身をふわりと持ち上げて回避し、離れていった
追撃にと機体を駆ろうとしたが、"ファンネル"とやらの攻撃で阻まれ、機体を退かせる

17:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:38:47.65 ID:UO3VBjVi0
ゼノン「つか、なんなんだよお前等はよぉ! こんなとこにきて戦いやめろとか、馬鹿じゃねぇのか!?」
ξ゚⊿゚)ξ<馬鹿じゃないって言ってるでしょ!? 私はアカデミーじゃ成績トップだったのよ!>
ゼノン「知るか! 勉強なんかなんの役に立つんだよ!」
わめきながらビーム砲を撃ちかける
大体、何で勉強なんかしなくちゃならねぇんだ?
俺は今まで生きてきて、それが一度も役に立ったことがない
もちろんMSで戦ってる今この瞬間も
白い機体が放ってきた4連のビームを躱し、機体を突進させる
ξ゚⊿゚)ξ<これだから馬鹿の相手は嫌なのよ! 何で戦いを止めろって言ってるのかわかってるの!?>
ゼノン「知るかっつってんだろ! 何でなんだよ!」
ξ゚⊿゚)ξ<撃ちあってたらいつまでたっても終んないってこと! 平和になりたいなら撃つの止めればいいでしょっ、て!>
何が言いたいのかさっぱりわからない
俺たちが戦っているのは、平和を乱されたからじゃないのか?
敵を全部ぶっ殺せば勝ち、それで平和だ
大体そんな面倒なことしたとしても、元々敵だった奴など信用できるか


18:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:39:09.18 ID:UO3VBjVi0
ゼノン「わけわかんねーよ」
ξ゚⊿゚)ξ<こんの馬鹿!>
ゼノン「お前が馬鹿だ!」
シールドを掲げて突撃し、互いにそれをかち合わせて衝突する
腕を振り上げてシールドを払い、がら空きになった胸部に蹴りを入れる
制動が切れ、白い機体はくるくると回りながら吹き飛んでいった
接近戦はてんでダメらしい
射撃の腕もそれほど卓越しているわけでもないし、機体の性能に胡座をかいているだけだ
同じ条件なら、俺の方が絶対に強い
体勢を立て直した白い機体に向けて、ビーム砲を撃ちかけながら向う
ξ゚⊿゚)ξ<いったいわね、馬鹿!>
ゼノン「馬鹿馬鹿うるせーよ、馬鹿!」
機体を交錯させながら、互いに罵りあう
俺は少し勉強ができるからって思い上がるやつが、一番嫌いだ
宇宙連合のパイロットはエリートばかりと聞いていたが、馬鹿な俺にやられていると思うと、指を指して笑いたくなってくる
結局、なんだろうが強ければいい、他を無くせば残ったものが正しい

20:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:39:36.31 ID:UO3VBjVi0
白い機体が振り下ろしたビームサーベルを受け、鍔競りあっていると、女が口を開いた
ξ゚⊿゚)ξ<じゃあこれ、アンタに解ける!? 451584の平方根は!?>
ゼノン「へ、平方根ってなんだ!」
腰部のビーム砲を連射しながら素直に頭を抱え、白い機体に再び突撃する
あの"ファンネル"も接近されては使いにくいだろうし、ついで接近戦は苦手ときている
ツァールの出番だ
というか、あいつは今まで何やっていたんだ?
ツァールの映っているモニターをちらと見ると、呆れ顔で冷めた目線をこちらに送っていた
先程の会話も全て筒抜けだったらしい
また馬鹿にされてしまう
ゼノン「つ、ツァール! 接近戦で一気に叩くぞ!」
ξ゚⊿゚)ξ<ちょっと! 問題に答えなさいよ!>
ツァール<±672……>
思わず機体を止める
モニターの中で女も顔をきょとんとさせ、すぐに悔しそうに顔を歪ませた

21:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:40:03.19 ID:UO3VBjVi0
ゼノン「ツァールお前……。頭よかったのか……」
相変わらず前髪に目を隠し、しれっとした顔でレバーを握っているツァールに向けて言う
というか、こういう問題って暗算で出来るものなのか?
今度ツァールにこっそり勉強教えてもらおう
ξ゚⊿゚)ξ<こ、こんなの誰だって解けるわよ。……というか、戦うのやめろって言ってるじゃない! さっさとやめなさいよ馬鹿!>
白い機体は距離をとって離れ、再び"ファンネル"を展開させ始めた
ゼノン「うっせぇって言ってんだろ馬鹿!」
行くぞ! とツァールを促し、ビームを放つ
よくよく考えると、突然現われた女の言うことにも一理あるかもしれない
馬鹿といわれて馬鹿と言い返し、また言われたから言い返してる
口喧嘩、終んねぇもんな

27:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:42:36.09 ID:UO3VBjVi0
CIC<ゴスペル、発射準備完了! 射線のデータを転送します、急いで離れてください! 発射は30秒後です! 繰り返します……>
そうか、やっときたか
辺りを見回すと、既にちらほらと"ストラス"が戦域から離れようとしていた
ずいぶん減ったな……
"グラム"で赤い機体を弾きとばし、機体を翻して戦域から離れるようにスラスターを吹かせる
( ^ω^)<ドク……?>
こちらの行動を理解できず、機体を漂わせてブーンが問うような声を発した
この一射で、全てを終らせることが出来るはずだ
そして俺たちは、敵のいなくなった世界で幸せに暮らすことが出来る
『ドク……』
アイベルのぎこちない笑みが、脳裏に浮かんだ
俺は間違っていない、殺さなきゃ殺されてしまうから殺す
それが戦争の唯一の真理、正論
殺すことが酷いだとか、戦いを止めろなどというのは、この戦争の中では虚しく奇麗事でしかない


28:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:42:58.80 ID:UO3VBjVi0
('A`)「ブーン……」
それなのに何故、こんなに心が痛い
弱肉強食、戦争の唯一の真理、正論
ならば戦争は、それ自体は正しいものだっただろうか
人を殺すことすら正しいと歪む、この争いの坩堝
俺は、この中では確かに正しい
('A`)「くっそぉぉぉ!」
機体を操るための手をキーボードへ移し、キーを叩いた
平和とは、なんだっただろうか


29:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:43:19.13 ID:UO3VBjVi0
弾かれ吹き飛び、横殴りのGに耐えながら機体に制動をかける
体勢を立て直すと、"ヘイト"は離脱をはじめていた
( ^ω^)「ドク……?」
突然戦域から離れだしたドクの行動の意味がわからず、一人ごち、そして俯いた
ドクには解ってもらえると、根拠もなく信じていた自分が愚かだったのだ
やはり奇麗事でしかないのだろうか、戦争を止めろと、人を殺すことは間違っていると
殺し合いは嫌だから手をつなごう、要約してしまえばただそれだけのこと
だが所詮僕達の言っていることは、現実が見えていない人間の妄言なのだろうか
焦りと悔しさで、唇を噛み締める
('A`)<くっそぉぉぉ!>
ドクの突然の咆哮に、驚いて顔を上げる
モニターの一つに、データが転送されてきていた
"ヘイト"に目をやるも、機体を翻してそのまま振り向くこともせずに行ってしまった
結局彼に僕達の想いは、伝わりはしなかったのだ


30:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:43:36.09 ID:UO3VBjVi0
CIC<……ます。ゴスペル、発射準備完了! 射線のデータを転送します、急いで離れてください! 発射は……>
送られてきたデータが何かを口にしていることに気付き、目を向ける
小さな点から放射状に光が放たれ、宙域図を飲み込んでいた
発射……完了……離れる……!?
慌ててボードを引っ張り出し、キーを叩く
全ての周波帯へ向けて、データを転送した
( ^ω^)「急いで逃げてくださいお! 何かが―――」
通信機に向けて叫ぶ
おそらく攻撃兵器、データが正しいなら被害は甚大なものになる
周囲を見回すと、"ストラス"と"ハルパス"はほとんどいなくなっていた
宇宙連合の様子がおかしいと、すぐに気付くべきだったのだ
撤退したと思い込んでいるのか、コロニーに向いだした"ヘル"を見て、再び逃げてと叫ぶ
ドクは、何故これを教えてくれたのだろう
呼びかけを受けてか、周囲の機体が少しずつ銃を下ろし始めた
しかし、それでも逃げ出そうとする機体はない
( ^ω^)「逃げて! 早く!」
そう叫んだ瞬間、アラートと共に警告音が鳴り響いた
背後から巨大な光の奔流が、無音であることが不自然な程の激しさで迫ってきていた

31:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:43:57.01 ID:UO3VBjVi0
ξ゚⊿゚)ξ「鬱陶しいわね! いい加減殺すわよ!」
ゼノン<やれるもんならやってみろってんだ!>
またもや煽るような言葉を吐きかけてきた頭の悪そうな男に、こめかみをひくひくとさせる
だが殺してはいけない、この男にもきっと大切な人がいて、仲のいい人がいて……
ξ゚⊿゚)ξ「知るか! 死ね!」
"ファンネル"を全機"ディザスター"に向けて飛ばし、4門の砲を展開する
一斉に放つも、"スルーター"が割って入って"ファンネル"のビームを弾く
遠距離からのビーム砲も、"ディザスター"の機動力の前にあっさりと避けられてしまった
"ファンネル"を振り切り、"スルーター"がビームソードを発生させて突っ込んでくる
仕方なしにビームサーベルを抜き払い、シールドを掲げて"スルーター"の突進を防御した
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと! 近接格闘苦手なんだからやめなさいよね!」
ツァール「そんなこと……言われても……」
スラスターを吹かして"スルーター"を押し返し、ビームサーベルを振り回す
ひらひらと紙の用に機体を捻らせ、"スルーター"は簡単に斬撃から抜けていってしまう
腕がなまったか、敵の動きが速いか、なかなか攻撃が当たらない
OSの調整を怠ったからだろうか、思い通りに動かない機体に苛々とする
"ファンネル"の慣らしもほとんどやっていないし、まだ体も本調子ではない
だからというわけではないが、手負いの二機に苦戦するなどかなりの屈辱だ
負けることはないとは思うが、このまま防戦しか出来ないようならいずれ結末がやってくる
どうする……


32:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:44:16.97 ID:UO3VBjVi0
ゼノン<あ? なんだ?>
男のとぼけたような声に反応してモニターを見上げると、男の隣のモニターにデータが転送されたていた
宙域のようなものに、太い線が走っている
CIC<……ます。ゴスペル、発射準備完了! 射線のデータを転送します、急いで離れてください! 発射は……>
聞き覚えの無い女の声が、そのモニターのスピーカーから聞こえる
ξ゚⊿゚)ξ「ゴスペル? ……これ、宇宙連合の……?」
データの転送元は"ストレイヤー"だが、発信元は第五コロニーだった
宇宙連合に在籍していたのにもかかわらず、ゴスペルなどという兵器を私は知らない
秘匿とされていた新兵器か?
( ^ω^)<急いで逃げてくださいお! 何かが―――>
通信機から、追いかけるようにブーンの声が響いた
その声に従って咄嗟に機体を翻し、データが示す殲滅予定の宙域から離れようとスラスターを吹かす
ゼノン<お、おい! なんなんだよこれ!>
ξ゚⊿゚)ξ「知らないわよ! でも―――」
その時、"リアライズ"がけたたましくアラートを発した
示された方向に顔を向けると、大きな岩のようなものから、巨大な光が放たれた

33:ダメな子 ◆L3bTxC/JR6 :2006/04/03(月) 23:44:36.39 ID:UO3VBjVi0
( ^ω^)「こんな……!」
"グングニル"を背中に収めて翼を広げ、スラスターを最大出力にして巨大な光の柱から逃げる
眼下で光に飲まれたMS達が、何の抵抗をすることも出来ず爆散していった
回線を開いたままの通信機から、それぞれの断末魔が聞こえる
水気を孕んだ絶望の叫びが、憎しみの光に反響して脳裏に焼きついた
必死で機体を駆って射線から外れようとしていると、少し離れたところで"ヘル"がスラスターを吹かしていた
あの程度の推力では無理だ、逃げられない
( ^ω^)「掴まってくださいお!」
咄嗟に機体の進行方向を変え、"ヘル"に突進する
抱きかかえるようにして機体を捉え、再び射線から直角に動いて光から逃げる
スロットルとフットペダルを力いっぱいに持ち上げ踏み込んで、"ストレイヤー"を駆る
押し付けるように強力なGがかかり、息を呑んだ
憎しみに放たれた光で、消されてしまうわけにはいかない
絶対に気付かせてあげなければいけない、死んでいった人達がどんな声で逝ったかを
戦いの中にも先にも、幸せなんかないということを
( ^ω^)「くっそぉぉぉ!」」
機体を飲み込もうと迫る光を振り払うように、腹の底から叫ぶ
僕は、死ぬわけにはいかない
まだ死ねないんだ

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【2006/04/04 09:37 】 | ( ^ω^)ブーンはガンダムのパイロットのようです | comment(0) | trackback(0)

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